• Naoki.

Aという女性。


Aから始まる女性がいた。


あの頃は

僕はまだ幼くて。


大人な彼女に近づく術を

知らなかったーーー。


それだけでない。

彼女が何を考えていて

なぜ僕を呼ぶのか

そしてなぜその場所が

いつも彼女の家なのか

尋ねるに至るには思考回路も短くて

彼女の深くに至れなかった。


それでも僕は

いつしか

僕から彼女の家へ向かっていた。

なんどもそうだった。

それでも

僕は

僕の気持ちさえ

分からなかった。


結局

今でも

不完全なままだーーー。




最後の日は

今も覚えている。


彼女は

黙りコクったままで。


そして

僕はその理由も聞かずに。


彼女の家を出たーーー。




マンションの玄関の先。

二人で歩いた渓谷。

そこに背を向けた夜。




貴女が僕を描いてくれた幾つかの絵は

今でも大切にもっています。


あの時も考えが至らなかったけど

結局

今も解らないままで。


だけど時折思い出しては

まだ

あの場所にいるのかなって。


思って。

だけど

どうしようもないまま。




今思えば

貴女は特別でした。


そう軽々しくは

触れられなかった。


年上の

知的で

かつ

麗しい

綺麗な人だったから。




いつか

また

会えたなら。


いつか。


また。


会えたなら。




いつか。


また

会えるのでしょうか。




Naoki.