• Naoki.

ichi.

頭に一を描いて

そのやり方を

何度も試しては変えて模索して

一だけに向き合う。



これが好きかって聞かれると

正直

分からない。



好きって。

なんだろ。


アールグレイの香が好きとか。

バジルが好きとか。


そういう

なんだろな

好きなものって

僕にとっては

僕の外側の世界にあるものたちで。


僕の内側から溢れるものって

好きって表現が

全然知らん顔して通り過ぎてくというか。

見向きもしないというか。

好きとか好きじゃないとかとは

もう全然

違う。。

うん。

きっと

たぶんそう。



だって

気付いたらいつも頭で描いていて。

気付いたら手を伸ばしていて。

もう

それからずっと

この指に吸い付いているから。


じゃあ空気と水とパンと同じかと聞かれると。

それもまた違うんだけど。




一が欲しい。

ずっと。

自分の中の一を

手で触って形を感じられる一にして。

そのループをずっと描いていたい。


スクリーンに映像を映すように

自分の中のものを映していたい。


そして目で見て

そして指先で感じて

それで

これかって

僕の中にあったものはこれかって

やっていたいだけ。


そうして

また

僕の瞳に映る月の

そのなんとも表現しがたい様相を

そうして

聞こえた雨音に伸ばした手が触れる

小さくも確かに神経が捉える雨粒を

そうして

君のほほえみで止まる一瞬の時を

僕の中に感じ続けることが

日常なだけ。


そして

移り行く景色のたった一瞬を捉えたとき

僕の目にはその一瞬だけが拡張されてさらに

無数の側面を持つ立体になるから

その中のたった一側面からその一瞬を覗く。

すると

まるでみかんをほおばった時に口いっぱいに広がる果汁のように

心に凄まじい感覚が広がるから。

ただ

それを感じていたいだけ。


そうして

それをまたカタチにしてみたら

現実に確かにあったそれが

僕というフィルターを通って

まるでお伽になるから。




だから

一だけでいい。


僕の中から取り出した瞬間にカタチになる

一という行為を繰り返していたい。



Naoki