• Naoki.

春だ。

誰かが後悔して泣いている。


僕は過去を戻す戻し方を知らないから

その誰かを

ただ

見つめた。







君は僕に寄り添ってきて

声で耳を撫でて

体温をあてがってきた


僕は

なるほどこれが戻し方なのだと

知った。


---このまま続ければ

過去と今を繋げることができるのかもしれない。。


小さな光の下

僕を見つめる君を見ながら

そう思ったよ。




だけど

君の手を握って

力を込めたのは

君も僕を見て

その力の意味を知った通り。



そう


だめだ。




あの夜は

そうして

僕らは

止まった。







相変わらず来るメッセージ

君のお気に入りのスマイルマーク付き


最近

つくづく

君は強い人だなと

思うよ


健気を通り越して

一生懸命も通り越して

太いなとさえ思ってしまう


「半分呆れてますかー?」って

聞こえてきそうで

笑った。




人の縁は人智を超えている

でも

人の縁を繋いでいくのは

結局人間だ。







『今週空いてるか?』


『はい!』


『飯でも食いに行くか』


『嬉しいー------!

行きたい!!』


『そうか。笑

じゃあ行こう』







僕らは

また並んで歩く。



『ナオキさ~ん

服買ったんですよ~』


『見りゃ分かるけどさ。笑

食事のたびに服買ってたんじゃ

クローゼット幾つあっても足りねーぞ。笑』


『だーってー---』


『だーってなんだよー。笑

てか

こんっなにできんなら

もーっと早くにやっとけばよっかたじゃねーか!』


『はい。。

後悔してます。。』




僕はあの頃と同じように

君を小突いて

君もあの頃と同じように

『いたー----い。。ですーーう!』

高い声を上げる。


だけど


あの頃と大きく違うのは


お互いに


相手のことを


余裕持って見れている


ってところ。


それで君は


自分のことも見失わずに


こんなにセンスのいい服を選ぶようになったのかな。




また

今までで一番似合ってると思った。







僕らは

過去が

もうきっと

もうすぐもっと

遠くなる。







春だ――――――。




Naoki.