• Naoki.

森羅万象のうち、最高傑作。

人間こそ最高傑作の芸術だ――――。

世の美しさの全ては人間に通じ、

人間の美しさの全ては世に通ずると思うのです。

4歳の頃に踏み入ったアートの世界から今。

"正解のない世界"を泳ぎながら

追求するしかなかった「内面」と向き合う日々だったように思います。

その中で

僕を

どうしようもなく虜にさせたもの

それは

歴史に残りし

人の内面の美しさが作品になったものたちでした。

それは絵画でも

洋服でも

建造物でも。

平面や造形にあらわれた美しさは

僕に

人間がいかに美しさの泉かを

何度も教えてくれたように思います。

そして

同時に

森羅万象の果てのない美しさに

僕は

沢山泣かされました。

こみ上げてくる理由など知る余裕もなく。

生まれて間もなく

複数の故郷をもち

その先で幾つもの国や都市を旅してまわり

地球の裏側まで足を運んで見たものたちは

泣けるほどに

美しかった。

朝起きて外に出た足もとに真っ黄色のカエル

仰天した僕が小走りに逃げた先で出会った純白なアヒルの親子連れ

飛び込んだ川が何層にも色を重ねたエメラルドグリーンで

ライフジャケットを着て浮かぶ僕を

包むように去っていった黄金の魚の群れや

バケツの水を被ったような大雨に濡れて一人佇んで見た誰もいない褐色の地

外灯のない真夜中に寝そべって見た

零れ落ちそうな大粒の星群も全部

本当に美しくて

果てしないほどに美しくて

何度も触れて

何度も口をつけて

何度も全身で感じようとしていたから

その地その地を離れて次に行く最後の日にはいつも

視界が割れるほど泣いたのを覚えています。

これからも

ずっと

いつだって

美しさを目にしていたい。

吐息が柔らかく

ため息になるほどの。

泣いて喜びたい。

美しさに共鳴できる、即ち人間であるということに。

―――――――人間は美しい。

だって

この森羅万象の全ての美しさに

其々の感性で共鳴できる

きっと唯一の生命体だから。

そんな人間の紡ぐ人生は

それこそまさに芸術だ――――。

服が主人公ではない。

人間が主人公で

だから服が美しくあれるのです。

Naoki.