• Naoki.

時を越えて出会えたものに。




















絵をずっと描いてきているから

美術館にもよく行くんだろうって

思われがちなのですが


全然行きません。


いわゆる「絵画」は

ほとんど見に行きません。


なんでだろ。


しかも全然詳しくもないです。


有名なものは知っているけど

今まで授業等でさんざん見てきた絵や画家たちは

もうほとんど記憶から抜けてしまっています。



そもそも

絵を描くことがすごいとか

画家がかっこいいとか

本当に全く思ったことがないのです。


だからと言って

ネガティブな思いもないですが。


特になんとも思っていなかったのです。


物心ついたときから描いているから描いているだけ

と言うと少し違うけど。


それが今にも繋がっていて

絵を見たいとか絵が欲しいとか

絵がどうとかっていうのは

本当に薄いです。



逆に音楽科の人間たちがすごく羨ましかったです。

休みの時間に業者がハープ運んでるのとかを廊下で見ていて

「めっちゃかっこいいな~」って

思ってました。


美術科って僕にとっては地味だったから

音楽科は華やかに見えて

それが羨ましかったのかもしれないし

「カタチないもの」を作り出しているから

それが本当にかっこよく見えてました。


今も変わらず。




そんな僕ですが

強い衝動にかられて美術館に急いだことが

過去に一度だけありました。


7年前のこの時期

「珍しい作品が東京に来る」と聞いたのです。


今回見に行かなかったら

フランスまで行くしかないと言うのです。


この作品が

今回以外でフランス国外に出たのは

1974年にたった一度だけしかなかったと付け加えるのです。



それで僕は

国立新美術館の門をくぐりました。


入った瞬間空気が違ったのを覚えています。


まさに、神聖でした。


そして

恐る恐る目に入れた瞬間

想像以上に大きくて見上げたのは


「貴婦人と一角獣」の

6面連作タペストリーの一枚

「味覚」でした。



作品が生きていることを感じました。


空を仰ぐように

流れる雲を追いかけるように

作品を見上げ

息が深く肺を膨らませて

それが吐かれる頃には

泣いていました。


自然に

音もなく

どうしようもなく。


本当に

初めて

「カタチあるもの」に圧倒されました。


1841年に発見されたものの

制作年や場所は不明ということでしたが

作った人の息遣いがまだ残っているようでした。




見る人を黙らせて

胸が苦しいほど熱くさせる作品とは

なんなのだろう。

その深いところに在る正体は

なにゆえにそこに在れるのだろう。


もっと触れて

もっと感じて

知っていきたいと思います。




コロナウィルスいつ終わるかなー。



Naoki.