• Naoki.

命に向き合い、命に酔う。


絵を描いていると

気付かされることがある。


昼にスケッチしていたリンドウの蕾が

色付けする頃には咲き出して


細かい部分を見ようと花瓶から取り出したケイトウが

描ききる頃にはしなり出す。


そう。

変化する。

その姿を変えていく。

それは

生きている証。




随分前は

その姿をとどめておけないことに

切なさを感じていた。


一瞬を

とじこめておけたらいいのにって。


痛いくらいに

切なくて

儚さが

苦しかった。



でも

今は

儚さが好い。


儚い一瞬を重ねる命だから

全ての一瞬が

美しく見える。


いや

儚いことを知っている命だからこそ

全ての一瞬の時に

精一杯

美しくあれるのかもしれない。




だから

僕は

一瞬のために服を仕立てる。


誰かの一瞬のために

花の命の一瞬を描く。


たとえその先で

朽ちてしまおうとも

後悔のない一瞬のために

後悔のない時間を捧げたい。


だから向き合う。

小さな命に。

されど

誇り高き

美しい命に。




長潮

月齢24.3から移り変わる今夜。


突然

君が

僕の絵に嫉妬して


僕は驚き

笑った。



魂を込めるからだって

君の言葉に

ごめん

だけど

嬉しかった。




命には

命を向き合わせなければ

完成されないものがある。


美しいからこそ

そこに心の全てを向けて

縮める距離は

他の何も入れたくない時間になる。




美しいものが好きだ。

美しいものを見ていたい。

それは

僕が僕として

僕の外側に求めるロマンだから。



そして

僕が絵を描く時間を知って

君が僕の絵に嫉妬するなら

僕は正しく描けているんだろう。




何をとらえよう。

何に手をのばそう。



全部

僕が望むものだ。



Naoki.