• Naoki.

その声が、聞こえなくなった夜から。

『この関係を

カテゴライズしたいと思ってる?』


『うん』


『うん

「友達」じゃ

ないよね?』


『じゃない』



分かってた


だから聞いた

君の気持ち。



分かりやすい君の全ては

毎日

僕の心に音をたてて


時に

激しく揺さぶった。


だけど

君の気持ちを感じるほど

君の望みを叶えてあげられない現実に

苦しくて

ついに喘いだんだ。



唐突に電話

鳴らした先の君

震えていたその声に

重なった僕の声


『最後の電話にしようと思って』


絞りだした痛み


過ぎた沢山の思い出に

無邪気な君の笑顔と

すぐ突っ走る君の癖がいっぱいで


締め付けられた心

息苦しくて

しかたなかった。




オンにした画面

見えた君の最後の顔


『最後なのに

随分楽しそうだね』

と覗き込んだ僕に


『最後だから笑顔で』

と君。


言葉に詰まって

ただ

君を見ているしかなかった。




ごめん。

本当に。


どうしても僕は

一人で歩まなければいけない―――――。


もし

君が

僕に望んだその全てを望まなければ

どんな形であれ

一緒にいられたかも。


だけど

それは

あまりに君が辛い。


君が望むそれらは

他の人が叶えてくれることを願うし

僕一人のために

君が切に願っている

女性にとって大事なその全てを

諦めるなんてこと

してほしくない。



事情を話す僕の顔を

じっと見つめながら耐える君に


『好きになってくれてありがとう』

届けた思い


君は

真っ白な指を顔にあてて

泣いた―――。




ごめん。

本当に。

ごめん。


だけど

これ以上思い深まる前に


これ以上思い出を重ねる前に。




沢山悩んだよ。

けっして楽ではなかった。

だけど

このまま進んだ先で

君をもっと泣かせてしまうことを知っていて

それでも一緒にいる選択は

僕には

できなかった。



どうか元気で。


それから

すぐ

わかったとか

大丈夫とか

言わないで

ちゃんとよく考えて進むこと。


突っ走って壁にぶつかって泣かないで。


落ち着いて。




いつか

またどこかで

会えたらいいね。



Naoki.