深夜に秋の温度
小さな照明一つ
慣れたジャズの音に一人
ステップを踏む
グラス片手に
さっきの君の声がリフレイン
涙混じりの
真っ直ぐな君の気持ちと
相反するその事情
そして俺らのタイミング
全てが夜に散らばって
浮遊して
けして溶け合うことなく
だけど混ざっていく
『もしもし』
だいたい君から電話のサイン
『声聞いたら泣いちゃった』
声を聞いたから泣いたのか
そもそも泣いていたのか
わかりゃしない
わかりゃしないんだけど
ぐっとくる
「計算か?」って一瞬
冗談を言ってみたい気もするけど
そんな空気じゃない
深い
深い空気をただ
ただ感じて
空気で答える
言葉にならないものを
たぶん君にとって俺は優しくなくて
厳しい言葉を投げる人なのだろう
だけど
君は
逃げないのか
逃げることができないのか
いつも
正面からその心に
俺の言葉を入れ込む
いつか君が言っていた
『私、叱られたかったんだと思う』
って言葉が離れない
別に叱るつもりはないけど
直球になってしまう俺の言葉が
君にとって良いなら
きっと
俺にとってもありがたい
すぐ浮かれる君
待て待てという俺
お姉ちゃんのようで
まるで妹だ
それでも君は
何周も考えて
何度も自分と向き合って
何度でも俺を見る
君の日々の中に俺がいて
君の明日が今日より良くなるなら
その声を聞いていると思う
これからも
許される限り
独占しているかのようなミッドナイト
時を止めたかのようなジャズミュージック
重なるその声の温度
独占しているかのようなミッドナイト
独占しているかのようなミッドナイト
Naoki.
Comments